かつて海底で生きていた珊瑚が、数千万年の時間をかけて鉱物に置き換わったもの。生物としての痕跡が、石の中にそのまま残る。
フロリダやインドネシアの地層から産出されることが多い。海だった土地が隆起し、乾いた大地の下から見つかる。かつての海の記録が、地層に閉じ込められている。
珊瑚の骨格構造は、シリカへと置き換わる。断面には、元の形が明瞭に現れる。化石でありながら、瑪瑙に近い硬度を持つ。生きていたものが、石へと変わる。その過程に、数千万年という時間が凝縮されている。生と無機物の境界は、時間によって静かに越えられていく。