スイスのトレモラ渓谷で発見されたことから命名された。カルシウムとマグネシウムを含む角閃石族の鉱物で、変成した石灰岩——大理石中に見つかることが多い。
鉱物学的には、トレモライトはアスベスト(石綿)の一形態にもなり得る。ただし、宝石として用いられるのは緻密な塊状のものであり、繊維状のものとは構造が異なる。同じ鉱物であっても、結晶形態の違いによって全く異なる性質を示す。
宝石としての認知度は低いが、地質学においては重要な指標鉱物である。この石が存在する場所は、その岩石がどの温度と圧力条件で形成されたかを語る。地味だが、雄弁である。