生きた貝が作る、唯一の宝石。異物が体内に入り込んだとき、貝はそれを真珠層で包み込む。炭酸カルシウムとコンキオリン(有機タンパク質)の薄い層が何千回も重なり、一粒の真珠が形成される。
1893年、御木本幸吉によって世界初の養殖真珠が生み出されるまで、天然真珠は潜水によって採取され、数千個の貝を開けてようやく一粒見つかるかどうかという稀少品だった。養殖技術の確立は、真珠の歴史を根本から書き換えた。
鉱物ではなく有機物。生き物によって作られ、時間とともに変化し、やがて劣化する。永遠ではないこと自体が、この素材の本質である。