1893年、フランスの化学者アンリ・モアサンがアリゾナ州の隕石クレーターで発見した。当初はダイヤモンドと考えられていたが、分析の結果、炭化ケイ素——ダイヤモンドとは全く異なる鉱物であることが判明した。
天然のモアサナイトは極めて稀であり、宝石として流通するもののほとんどは合成。1990年代に量産技術が確立された。モース硬度は9.25と、ダイヤモンドに次ぐ硬さを持ち、分散率(光の虹色への分解)はダイヤモンドを上回る。
隕石の中から見つかった鉱物を、人が実験室で再現した。宇宙由来の素材が、人の技術によって地上に定着した存在である。